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センター紹介

【第1部門】有機薄膜太陽電池部門

取組課題名: 有機薄膜太陽電池の開発

取組課題の概要:
高耐久かつ高効率な高性能フィルム太陽電池の構築のために、素子開発と材料開発とを有機的に組み合わせた異分野融合による応用基礎研究を推進すると共に、大面積化や低コスト化を可能にするプロセス開発などの実用化を加速させる基盤技術の確立を目指す。

取組課題の内容:
これまでに、大多数の研究者・技術者が開発している従来型構造の素子に比べて格段に高い耐久性を示す『逆型有機薄膜太陽電池』(下図)を開発した。この逆型素子は、従来型に比較して発電効率は現時点では低いものの、大気中でも安定な材料を用いて作製することができる。そのため、従来型とは異なり、未封止状態でも大気下において高い耐久性を示す。本部門では、このような金沢大学発の高耐久性逆型有機薄膜太陽電池の潜在能力を実用化レベルまで高めることを目指して、材料創製やプロセス開発などの応用基礎研究を強力に推進し、下記のような透過性を有するフィルム状の逆型有機薄膜太陽電池を完成させる道筋を明らかにする。



◇面積サイズ対応:A4~B0 ◇フレキシブル性:有(フィルム構成)
◇太陽光透過率:5%、10%、20%設定可能 ◇発電効率:8%以上 
◇未封止素子の大気中連続光照射1000時間後の性能維持率80%以上
本目標達成のために、求められる要素技術開発項目とマイルストーンは以下のようである。

1.技術開発項目

① 逆型有機薄膜太陽電池のキャラクタリゼーションから、本素子構造に適した発電層作製法を探索する。すなわち、項目②で合成する有機発電材料から成るバルクヘテロ接合型ブレンド膜のモルフォロジー制御と、ホール移動度及び電子移動度の評価による製膜条件の最適化を行う。(高効率化、高耐久化、分析・評価)
② ドナー性新規有機発電材料の合成およびそのホール移動度評価、並びに各種アクセプター性フラーレン材料の合成による、逆型素子に適した高効率発電材料の探索を行う。(発電層有機材料の創製)
③ プラスチックフィルム太陽電池作製に適用可能な100℃以下の低温プロセスを開発し、低温処理で機能する塗布用発電材料探索、及びその化学的、物理的性質の評価を行う。(フィルム化、分析・評価)

2.年次計画
【要素技術開発の実施予定表】

上記の要素技術開発と下記協力企業の実用化研究を有機的に組み合わせることにより、高性能なフィルム状の逆型有機薄膜太陽電池の実用化を目指す。

協力企業: ()イデアルスター,()倉元製作所他

【高効率・高耐久性の逆型フィルム有機薄膜太陽電池開発のマイルストーン】

3.取組課題の概略図

<有機薄膜太陽電池部門>H24年度実施計画概要