＜日時＞　2023年12月19日(火) 16:45- (1時間程度を予定)
＜場所＞　自然科学本館講義棟 201講義室
＜講師＞　李　勇燦　先生（横浜市立大学・理学部）
＜題目＞　電子線クライオトモグラフィーによるin situ構造解析の実際
＜講演要旨＞
近年、クライオ電子顕微鏡を用いたトモグラフィー(Cryo-ET)によって、細胞の細部構造をその場で（insitu）かつ高い分解能で観察できるようになりました。特に、集束イオンビーム(Focused ion beam;FIB)を用いた削り加工(Milling)法によって、凍結した細胞の任意の部位を切片として切り出すことが可能となったため、比較的厚みのある細胞の内部を撮像できるようになりました。またサブトモグラム平均化法(Subtomogramaveraging)を用いて、細胞内にコピー数の多い構造体であるリボソームや細胞内骨格などに関しては、3〜4Å分解能まで解像した例も報告され始めています。発表者は、in situcryo-ET法を用いて、腸管上皮細胞のアピカル面に形成される高次構造の高分解能観察を試みています。本セミナーでは、こういったinsitu構造解析法の最新手法と実際の成果について紹介いたします。

＜講師紹介＞
2016. 4~2018. 3　学術振興会特別研究員 DC2
2018. 3　東京大学 学位取得(理学) (指導教員：濡木理教授)
2018. 4~2018. 5　東京大学 博士研究員 (PI: 濡木理教授)
2018. 6~2021.4　マックスプランク研究所 博士研究員 (PI: Werner Kühlbrant教授)
2021. 5~現在　横浜市立大学 助教 (JST・さきがけ研究員兼任)

＜世話人＞
生命理工学類・生物科学コース　高塚大知
お問い合わせは、高塚（h-takatsuka＊se.kanazawa-u.ac.jp）まで
　※ [＊]は[@]に置きかえてください。

横浜市立大学・理学部 の李勇燦先生に、先生が取り組んでこられた構造生物学のご研究についてお話を伺います。
皆様のご来聴をお待ちしております。