環境・地球科学
金沢大学理工学域では、いったい何が行われているのでしょう? 理工学域で研究をしている研究者や学生の皆さんに、聞いてみました。「みなさんはいったい何をはかる?つくる?」
-
- 先端化学コアプログラム
- 自然・生命
- 環境・地球科学
- SDGs
世界を巡って海洋中の化学元素を測っています。
単位はnmol/kg。
海洋化学の国際研究チームを作っています。地球表面の約70%は海洋に覆われています。海水の中に「何の化学元素が入っているか?」、「それらの元素は海洋生物にどのような影響を与えるか?」について我々のグループは現在研究しています!
執筆者:Wong Kuo Hong 助教
物質化学類
分析・環境化学研究室 -
- 地球惑星科学コース
- 自然・生命
- 環境・地球科学
生物の限界を測っています。
単位はスゴい。
極限環境生物圏の相関図を作っています。深海の熱水や湧水などの極限環境生物圏の進化を化石と現生の双方から研究しています。最近は死んだウミガメやクジラをもらってきて海に沈め、遺骸に棲む特殊な動物を調べています。骨の中は酸素ゼロ%なのにゴカイや貝たちが棲んでいます。これらの生物と化学・地球科学的環境との関係や生物同士の関係について数千万年、数億年の時間スケールの相関図を描くのが目標です。極限環境生物は、マジすごい!
執筆者:ジェンキンズ ロバート 准教授
地球社会基盤学類
地球生物学研究室 -
- 応用化学コアプログラム
- エネルギー
- 環境・地球科学
- SDGs
- 防災・社会創成
- 計測
次世代型太陽電池の性能を測っています。
単位はアンペア。
軽い、安い、ゴミにならない次世代型太陽電池を創っています。現在販売されている太陽電池は重く、屋根に載せるのも運ぶのも大変です。有害な物質も含まれているため、廃棄する時にも大きなコストを必要とします。
軽くて、安く、有害物を含まない太陽電池があれば、今の太陽電池では想像できない用途が広がるでしょう。窓、ビニールハウス、工場の屋根、モバイルガジェットなどなんでもアリです。そのような「次世代型太陽電池」の開発を行っています。執筆者:中野 正浩 准教授
物質化学類
電気化学講座ウェブサイト
研究室ウェブサイト -
- 生物科学コース
- 自然・生命
- 環境・地球科学
- SDGs
- ものづくり
- 材料
「光合成をする紙」を作っています。
陸棲シアノバクテリア(イシクラゲ)は、乾燥状態で1 0 0 年以上生存します。「生きた素材」を用いて芸術作品を制作するという着想から始まり、和紙とイシクラゲを複合化して「光合成をする紙」を製作しました。さらに発展させ、照明と湿度によって建物自体が生物のように活動をし、エネルギー循環する未来をめざします。
https://www.youtube.com/watch?v=FAsWCB6FIpY
執筆者:坂本 敏夫 准教授
生命理工学類
植物生理生化学研究室 -
- 先端化学コアプログラム
- 環境・地球科学
- SDGs
- 材料
界面活性剤のはたらきを測っています。
単位はシャボン。
やさしい界面活性剤を創っています。アミノ酸や脂肪酸といった生体材料をもとに、環境低負荷型・高付加価値型の新規界面活性剤の開発を行っています。
執筆者:太田 明雄 准教授
物質化学類
界面物理化学研究室 -
- 計算制御システムプログラム
- エネルギー
- 環境・地球科学
- ものづくり
- 機械・航空宇宙
- 計測
人間が感じる音と振動の大きさを測っています。
単位はぶるぶる。
人間が快適に過ごせる音振環境を創っています。地震や風で揺れる物体、クルマや電車に乗った時の揺れや音など、生活環境には様々な振動現象が見られます。本研究室では乗り物を含む機械と人間との関係に注目して、不快で邪魔な音・振動を取り除く方法を考えています。反対に、振動をうまく利用して発電するなどの取り組みも行っています。
執筆者:小松﨑 俊彦 教授
フロンティア工学類
ダイナミックデザイン研究室 -
- 生物科学コース
- 自然・生命
- 環境・地球科学
植物の進化を測っています。
単位は億年。
形づくりと遺伝子の進化の相関図を作っています。約5億年前には水中でしか生きることができなかった植物は、体の形や構造を変えることで陸上で生活できるようになりました。
現在は陸上で大繁栄している植物の、形づくりを行う遺伝子の働きと進化を解き明かします!
執筆者:小藤 累美子 助教
生命理工学類
植物発生生物学研究室 -
- 地球惑星科学コース
- 環境・地球科学
地面の揺れを測っています。
単位はm、 m/s、 m/s^2。
地球の中で何が起こっているかを探ります。美味しいスイカは叩くといい音がしますよね。地震波は地球の音です。それを注意深く聴けば、地球の中で何が起こっているのか知ることができます。地下で起こる断層の動きやマグマの動きを聴いてみませんか?
執筆者:平松 良浩 教授
地球社会基盤学類
地震学研究室 -
- 環境都市コース
- 医療・バイオ
- 自然・生命
- 環境・地球科学
世界各地で環境中の細菌やウイルスを測っています。
単位は遺伝子。
人と地球の健康を守っています。感染症の中には、ヒトや動物から水環境を介して感染が広がるものが多くあります。また、新型コロナウイルスや薬剤耐性菌なども感染者の排泄物から下水へと排出されています。研究室では、下水モニタリングによって地域における感染症の蔓延状況を把握するための技術開発を行っています。また、感染症の環境中への拡散を防ぐために膜濾過などの新しい技術を使った高効率かつ安定な除去プロセスの開発にも取り組んでいます。
執筆者:本多 了 教授
地球社会基盤学類
環境リスク制御工学研究室 -
- 応用化学コアプログラム
- 環境・地球科学
- SDGs
- ナノテクノロジー
- 材料
有機化合物の自在な操り方を図っています。
単位はSynthon。
世界にひとつだけの有機分子を創っています。“限りある資源を有効に活用しながら環境調和にも配慮した「有機合成化学」の技術を開発しています。
目的分子を合成するために、Synthon(合成単位)と反応をどう組合わすと効果的になるのか、謎解きします。”執筆者:本田 光典 教授
物質化学類
分子機能解析化学研究室 -
- 環境都市コース
- 医療・バイオ
- 自然・生命
- 環境・地球科学
環境浄化に役立つ微生物を測っています。
単位は微生物。
水処理装置や微生物の計測技術を創っています。世界に安心・安全な水環境を提供することを目標に、水処理装置の開発に取り組んでいます。さらに、水処理の仕組みを解明するために、微生物の種類・機能・量を解析や計測しています。
執筆者:松浦 哲久 准教授
地球社会基盤学類
水環境工学研究室 -
- 地球惑星科学コース
- 自然・生命
- 環境・地球科学
- 材料
- 物性
地球物質のゆっくりとした動きを測っています。
単位はストレスの許容量と解放速度。
地球内部の流れやすさと滑りやすさの分布図を作っています。岩石や鉱物を「地球を構成する物質」ととらえて、地殻やマントルが動いた痕跡を読み解く研究をしています。山体を横切るような地質構造から、電子顕微鏡で見るサブミクロンの結晶構造まで、マルチスケールの観察をします。自然から学び、地球の大きな営みに思いを馳せたい人、集まれ!
執筆者:水上 知行 助教
地球社会基盤学類
構造岩石学研究室 -
- 機械創造コース
- 環境・地球科学
- ものづくり
- 材料
- 物性
組織制御を通して材料の高強度化を図っています。
単位はパスカル。
これまでの常識を越える強度の材料をを創っています。金属材料の特性はその化学的な成分よりも、その組織によって大きく変化します。レアアース金属などの希少元素に頼ることのないサステナブルな材料開発を行っています。
執筆者:渡邊 千尋 教授
機械工学類
材料工学研究室 -
- マテリアルデザインプログラム
- ヒューマン・エコシステムプログラム
- 医療・バイオ
- 環境・地球科学
- SDGs
- ものづくり
廃棄物の可能性を図っています。
単位は持続性。
廃棄物を資源として有効活用するための仕組みを創っています。私たちが廃棄物として捨てているモノは、ゴミではなく資源です。廃棄物を資源として再利用するための方法について研究しています。
執筆者:滝口 昇 准教授
フロンティア工学類
環境・エネルギー工学研究室 -
- ナノセンシングプログラム
- 環境・地球科学
- ものづくり
- ナノテクノロジー
- 材料
- 計測
空気中の微粒子を測っています。
単位は個。
安全・安心・快適な空間を創っています。空気中の微粒子はエアロゾルと呼ばれ、PM2。5、花粉、ウイルスなど我々の生活に大きな影響を与えています。これらの新規計測法を開発したり、空気清浄器によって室内を快適空間にする技術を開発しています。
執筆者:瀬戸 章文 教授
フロンティア工学類
微粒子システム研究室 -
- 生物科学コース
- 自然・生命
- 環境・地球科学
- ナノテクノロジー
細菌のオルガネラを測っています。
単位はナノメートルの多様性。
微生物の地磁気感知の仕組みを解き明かします。従来、単純な構造と考えられてきた細菌の細胞は、実は多様で複雑な細菌オルガネラや細胞骨格を持つことがわかってきました。私たちは、「磁性細菌」が作る地磁気感知のためのオルガネラである「マグネトソーム」の研究を通して、細菌がナノメートルサイズのオルガネラをどのように形成し、機能させるのかを調べています。
執筆者:田岡 東 教授
生命理工学類
生体分子生理学研究室 -
- 先端化学コアプログラム
- 自然・生命
- エネルギー
- 環境・地球科学
海水中の貴金属濃度を測っています。
単位はpmol/L, ppt。
海中分布図を作っています。希少価値が高い白金やパラジウムなどの貴金属元素。実は陸だけではなく海にも存在しています。ただ非常に濃度が低いため分析が困難であり、どこにどれだけ存在しているかわかっていません。将来資源として確保するためにも詳細な濃度分布を解明しています。
執筆者:眞塩 麻彩実 准教授
物質化学類
分析・環境化学研究室 -
- 地球惑星科学コース
- 自然・生命
- 環境・地球科学
- 防災・社会創成
地球大気の成分を測っています。
単位はppt (1兆分の1)。
気候や大気質を変える化学反応を探っています。地球の大気は、約78%が窒素、約21%が酸素、約0。9%がアルゴン、で、残りの0。1%以下の中に温室効果ガスや大気汚染物質が含まれます。この超微量な成分によって、その大気が私たちにとって住みやすいかどうかが大きく変わってしまうのです。そんな超微量成分の変動と、その組成を決める化学反応を探っています。
執筆者:石野 咲子 助教
地球社会基盤学類
大気化学研究室