物性
金沢大学理工学域では、いったい何が行われているのでしょう? 理工学域で研究をしている研究者や学生の皆さんに、聞いてみました。「みなさんはいったい何をはかる?つくる?」
-
- マテリアルデザインプログラム
- ものづくり
- 材料
- 物性
材料が流れるまでの時間を測っています。
単位は秒。
今までにない面白い機能を持つプラスチックを創っています。固体と液体、という言葉はあいまいなものです。実は、石も、山も、プラスチックも、私たちもみんないつかは流れて流体になります。
流れるまでの時間を制御し、丈夫で延びるプラスチックガラスを開発しています。執筆者:伊藤 麻絵 准教授
フロンティア工学類
高分子材料物性研究室 -
- 応用化学コアプログラム
- ものづくり
- 材料
- 物性
蛍光の強さと色を測っています。
単位は強さ。
新しい光反応を創っています。有機化合物に光を照射すると、寿命の短い励起状態の活性種が生成します。その活性種が基底状態の分子と相互作用すると、光反応が起こります。また、エネルギーを放出すると、蛍光が出ます。新しい光反応や蛍光物質をデザインしませんか。
執筆者:前多 肇 教授
物質化学類
精密有機合成化学研究室 -
- 機械創造コース
- 機械・航空宇宙
- ナノテクノロジー
- 材料
- 物性
- 計測
金属材料のミクロスケールでの変形を測っています。
単位はひずみ。
壊れにくい金属を創っています。金属材料は肉眼では見えないミクロスケールでの構造(微細組織)を有しています。巨視的な変形がミクロスケールでの変形とどのように関係しているかを明らかにすることで、金属材料の変形・破壊の本質に迫り、より優れた金属材料の創製を目指しています。
執筆者:古賀 紀光 准教授
機械工学類
材料工学研究室 -
- 環境都市コース
- 材料
- 物性
量子と波動の二重性を測っています。
単位はナノメートル。
磁石や超伝導体を創っています。物質は元素の組み合わせで出来ています。元素はそれぞれ様々な特徴を持っており、それらをうまく組み合わせることによって今まで見たことのない新現象が生まれる事があります。当研究室では周期律表を眺め、ここぞという元素をピックアップし、混ぜたり焼いたり溶かしたりしながら反応させ、強い磁石や高温超伝導体など、色々な新物質を生み出します。
執筆者:大橋 政司 教授
地球社会基盤学類
環境材料学研究室 -
- 機械創造コース
- 機械・航空宇宙
- ナノテクノロジー
- 材料
- 物性
- 計測
インピーダンスを測っています。
単位はΩ。
交流を使って材料の解析を行う手法を創っています。交流を使う場合、直流に対する抵抗に相当するものが、インピーダンスです。このインピーダンスを使うと材料の特性を測定することができます。
執筆者:宮嶋 陽司 教授
機械工学類
知的材料システム研究室 -
- 機械創造コース
- 機械・航空宇宙
- ナノテクノロジー
- 材料
- 物性
- 計測
ハイスピードカメラで変形を測っています。
単位はμs, μm。
高速変形の解析手法を創っています。近年のハイスピードカメラの高解像度化によって、自動車事故レベルの高速変形や破壊を詳細に撮影することが出来るようになっています。車等のボディーには金属材料が多く使われており、その高速変形や破壊に関して、より深い理解を試みます。
執筆者:宮嶋 陽司 教授
機械工学類
知的材料システム研究室 -
- 機械創造コース
- 機械・航空宇宙
- ナノテクノロジー
- 材料
- 物性
- 計測
プログラムで画像を比較して「ひずみ」を測っています。
単位はなし(無次元)。
「ひずみ」分布の可視化の材料への応用法を創っています。近年のカメラの高解像度化とプログラムによる画像の比較によって、従来は観察できなかった金属材料の変形中の「ひずみ」分布を可視化することが可能になりました。この手法を用いて、金属の変形の理解向上と高強度化を試みています。
執筆者:宮嶋 陽司 教授
機械工学類
知的材料システム研究室 -
- 機械創造コース
- 機械・航空宇宙
- ナノテクノロジー
- 材料
- 物性
- 計測
レーザーやプラズマを使って作った特殊な薄膜の開発を測っています。
単位はいろいろ。
腐食しないコーティングを創っています。5種類以上の元素を等量含むハイエントロピー合金という材料の薄膜を、プラズマやレーザーを使って作っています。高温まで腐食しないコーティングの実現を目指します。
執筆者:宮嶋 陽司 教授
機械工学類
知的材料システム研究室 -
- 機械創造コース
- 機械・航空宇宙
- ナノテクノロジー
- 材料
- 物性
- 計測
金属の内部構造(組織)を測っています。
単位はnm, μm。
より特性が良い金属を創っています。金属の特性は、内部構造(組織)によって変化します。そのため、電子顕微鏡等を使って金属の内部構造を見ています。
執筆者:宮嶋 陽司 教授
機械工学類
知的材料システム研究室 -
- 機械創造コース
- 機械・航空宇宙
- ナノテクノロジー
- 材料
- 物性
- 計測
金属の強度を測っています。
単位はMPa。
社会の隅々まで使われている構造用金属材料を創っています。スカイツリーや明石海峡大橋が実現したのは、その形状を実現できる構造用金属材料の開発があったからです。輸送機器、橋梁、ビル鉄骨等、社会のすみ地味まで使われている次世代の高強度構造用金属材料の開発をしています。
執筆者:宮嶋 陽司 教授
機械工学類
知的材料システム -
- 機械創造コース
- 機械・航空宇宙
- ナノテクノロジー
- 材料
- 物性
- 計測
金属の電気抵抗を計っています。
単位はΩ, nΩm。
より電気抵抗率が小さい金属を創っています。オームの法則は理科で習っていると思いますが、各金属の電気抵抗率は内部構造(組織)を変えると変化します。より電気抵抗率が低ければ、ジュール熱による損失が減って消費電力を減らせます。それは、回り回って地球管渠保護にも繋がります。
執筆者:宮嶋 陽司 教授
機械工学類
知的材料システム研究室 -
- 応用化学コアプログラム
- エネルギー
- SDGs
- 材料
- 物性
高分子の熱に対する耐性を計っています。
単位はジュール。
軽い、硬い、熱に強い高分子材料を造っています。高分子材料は社会生活を支える材料の一つです。これまでだったら難しい「熱や応力」がかかる場所でも使える高分子材料は、より軽く安価な工業材料につながる重要なパーツです。研究室では、フェノール樹脂を利用してこの材料の合成や評価を行なっています。
執筆者:山岸 忠明 教授
物質化学類
高分子材料化学研究室 -
- 物理学発展プログラム
- ナノテクノロジー
- 物性
固体や液体の表面で起こっていることを測っています。
単位はpNやaJ.とにかくちっちゃい相互作用。
ナノメートルスケールの表面・界面で成り立つ物理を創っています。固体(結晶)の中身と表面ならどちらが調べやすいと思いますか?目で見える表面の方が調べやすいと思いますよね。でも逆なんです。X線による結晶の中身の原子レベルの構造解析は100年の歴史を持つのに対して、表面の原子配列を直接見られる様になってまだ40年ぐらい。表面は反応の舞台でもあり、不思議なことが起こっています。
執筆者:新井 豊子 教授
数物科学類
ナノ物理学研究室 -
- マテリアルデザインプログラム
- 医療・バイオ
- 材料
- 物性
叩いた時だけ硬い材料の強さを測っています。
単位はMPa。
アニメに出てくるようなハイパープロテクターを作っています。某アニメの世界には、ゆっくり引っ張ると柔らかく装着性が良いが、叩いたときだけ硬くなるハイパープロテクターが存在します。これを実世界で実現するため、手で触れると柔らかく叩くと硬くなる素材を創り上げ、スポーツなどへの展開を目指しています。さて、某アニメとはなんでしょう??
執筆者:樋口 理宏 准教授
フロンティア工学類
ロボティクス・デザイン研究室 -
- ヒューマン・エコシステムプログラム
- SDGs
- 防災・社会創成
- 材料
- 物性
- 計測
マイクロプラスチックが生成する過程を測っています。
単位はミリ、マイクロ、ナノメートル。
小さくてもプラスチックです。環境中に流出してしまったプラスチックが、紫外線や波の作用で微細化したものをマイクロプラスチックと呼び、生態系への影響が心配されています。高分子材料物性研究室では、プラスチック材料が物理的・化学的作用により微細化する過程を調べています。洗濯バサミがある日突然壊れてしまうように、プラスチックは環境中で劣化します。劣化過程を調べることで、耐久性に優れたプラスチックの開発を行なっています。
執筆者:比江嶋 祐介 教授
フロンティア工学類
高分子材料物性 -
- 地球惑星科学コース
- 自然・生命
- 環境・地球科学
- 材料
- 物性
地球物質のゆっくりとした動きを測っています。
単位はストレスの許容量と解放速度。
地球内部の流れやすさと滑りやすさの分布図を作っています。岩石や鉱物を「地球を構成する物質」ととらえて、地殻やマントルが動いた痕跡を読み解く研究をしています。山体を横切るような地質構造から、電子顕微鏡で見るサブミクロンの結晶構造まで、マルチスケールの観察をします。自然から学び、地球の大きな営みに思いを馳せたい人、集まれ!
執筆者:水上 知行 助教
地球社会基盤学類
構造岩石学研究室 -
- 地球惑星科学コース
- 自然・生命
- エネルギー
- 物性
鉱物を測っています。
単位はÅ,apfu,℃,MPa。
鉱物の産状・組成・構造から形成条件を解明しています。元素は地球の活動に伴って濃集し、半導体や貴金属など、私たちの生活で用いられる鉱物として産出します。つまり鉱物の産状、化学組成、結晶構造を調べることにより、鉱物や鉱物の集合体である岩石がどんな条件下で形成したのかを知ることができます。私の研究室では鉱物の結晶構造や化学組成という原子レベルのことを調べることで、惑星の進化の解明に繋がる鉱物の形成過程を解明しています。
執筆者:浜田 麻希 助教
地球社会基盤学類
鉱物科学研究室 -
- 機械創造コース
- 環境・地球科学
- ものづくり
- 材料
- 物性
組織制御を通して材料の高強度化を図っています。
単位はパスカル。
これまでの常識を越える強度の材料をを創っています。金属材料の特性はその化学的な成分よりも、その組織によって大きく変化します。レアアース金属などの希少元素に頼ることのないサステナブルな材料開発を行っています。
執筆者:渡邊 千尋 教授
機械工学類
材料工学研究室