はかる・つくる
金沢大学理工学域では、いったい何が行われているのでしょう? 理工学域で研究をしている研究者や学生の皆さんに、聞いてみました。「みなさんはいったい何をはかる?つくる?」
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- 生物科学コース
- 医療・バイオ
- 自然・生命
神経活動を測っています。
単位は遺伝子の働きの強さ。
神経の活動が見える昆虫を創っています。地球上でもっとも繁栄している生物は昆虫です。なぜ昆虫はこんなにも成功しているのでしょうか?その理由のひとつは、多様な生得的(本能)行動です。私たちは脳・神経の働きを調べています。
執筆者:木矢 剛智 准教授
生命理工学類
昆虫分子生物学研究室 -
- 生物科学コース
- 医療・バイオ
- 自然・生命
記憶を測っています。
単位は失恋の痛手。
人工的な記憶を作っています。昆虫も失恋する? 一寸の虫にも五分の魂というように、虫は意外と賢いのです。 立派に失恋もするし、失恋の心の痛手を引きずり、記憶します。 遺伝子を操作して、人工的に記憶を消したり、作ったりしています。
執筆者:木矢 剛智 准教授
生命理工学類
昆虫分子生物学研究室 -
- 環境都市コース
- 医療・バイオ
- 自然・生命
- 環境・地球科学
世界各地で環境中の細菌やウイルスを測っています。
単位は遺伝子。
人と地球の健康を守っています。感染症の中には、ヒトや動物から水環境を介して感染が広がるものが多くあります。また、新型コロナウイルスや薬剤耐性菌なども感染者の排泄物から下水へと排出されています。研究室では、下水モニタリングによって地域における感染症の蔓延状況を把握するための技術開発を行っています。また、感染症の環境中への拡散を防ぐために膜濾過などの新しい技術を使った高効率かつ安定な除去プロセスの開発にも取り組んでいます。
執筆者:本多 了 教授
地球社会基盤学類
環境リスク制御工学研究室 -
- 応用化学コアプログラム
- 環境・地球科学
- SDGs
- ナノテクノロジー
- 材料
有機化合物の自在な操り方を図っています。
単位はSynthon。
世界にひとつだけの有機分子を創っています。“限りある資源を有効に活用しながら環境調和にも配慮した「有機合成化学」の技術を開発しています。
目的分子を合成するために、Synthon(合成単位)と反応をどう組合わすと効果的になるのか、謎解きします。”執筆者:本田 光典 教授
物質化学類
分子機能解析化学研究室 -
- ヒューマン・エコシステムプログラム
- 医療・バイオ
- ものづくり
- 機械・航空宇宙
- ナノテクノロジー
鼓膜の動きやすさを測っています。
単位はHzとdB。
赤ちゃんからお年寄りまで使える耳の診断装置を創っています。学校の健康診断で聴力検査をしたことがありますよね。高さの異なる2種類の音(1 kHzと4 kHz)を聞き、聞こえたらボタンを押すという検査方法です。では自分でボタンを押せない赤ちゃんの聴力はどのように調べたらよいでしょうか?もし聞こえが悪かった場合、耳のどこが悪いのでしょうか?これらが分かれば、早期に適切な治療を行うことが可能となります。わたしたちは、力学的アプローチで独自の診断技術の開発に挑戦しています。
執筆者:村越 道生 准教授
フロンティア工学類
生体機械工学研究室 -
- 海洋生物資源コース
- 自然・生命
- SDGs
- 防災・社会創成
魚の様子を諮っています。
単位は安心安全。
能登と共に美味しい魚を創っています。「能登の里山里海」を未来永劫伝承すべく、現場ニーズに即対応できる能登ブランド(能登とと[NoToTo])の持続可能な養殖システムの開発を行っています。
執筆者:松原 創 教授
生命理工学類
水圏増養殖学研究室
https://www.youtube.com/watch?v=xo9KpiyryN0&t=51s
https://www.youtube.com/watch?v=JKYnZeLEDbk
https://www.kanazawa-u.ac.jp/research/kokokara/research60 -
- 電気電子コース
- エネルギー
- ナノテクノロジー
- 計測
ダイヤモンドでできたデバイスを測っています。
単位はキラキラ。
カーボンでカーボンニュートラルの社会を創っています。ダイヤモンドの合成からデバイス作製、評価まですべて研究しています。2050年の社会を支える技術を創っていきましょう。
執筆者:松本 翼 准教授
電子情報通信学類
薄膜電子工学研究室 -
- 環境都市コース
- 医療・バイオ
- 自然・生命
- 環境・地球科学
環境浄化に役立つ微生物を測っています。
単位は微生物。
水処理装置や微生物の計測技術を創っています。世界に安心・安全な水環境を提供することを目標に、水処理装置の開発に取り組んでいます。さらに、水処理の仕組みを解明するために、微生物の種類・機能・量を解析や計測しています。
執筆者:松浦 哲久 准教授
地球社会基盤学類
水環境工学研究室 -
- 土木防災コース
- 防災・社会創成
- 材料
- 計測
構造物が破壊に対してどれだけ強いのかを測っています。
単位は強靭性。
安全な状態をキープできる構造物の設計法を創っています。皆さんが普段どこかへ出かけるときに利用する道路や鉄道を支える構造物や災害から守る構造物を対象に研究しています。これらの構造物の破壊に対する抵抗性を調べるために、模型を製作して破壊実験や数値シミュレーションを行っています。安全で安心な社会生活を保つことができる設計法を提供できるように研究をしています。
執筆者:栗橋 祐介 教授
地球社会基盤学類
構造工学研究室 -
- マテリアルデザインプログラム
- 医療・バイオ
- 材料
- 物性
叩いた時だけ硬い材料の強さを測っています。
単位はMPa。
アニメに出てくるようなハイパープロテクターを作っています。某アニメの世界には、ゆっくり引っ張ると柔らかく装着性が良いが、叩いたときだけ硬くなるハイパープロテクターが存在します。これを実世界で実現するため、手で触れると柔らかく叩くと硬くなる素材を創り上げ、スポーツなどへの展開を目指しています。さて、某アニメとはなんでしょう??
執筆者:樋口 理宏 准教授
フロンティア工学類
ロボティクス・デザイン研究室 -
- ヒューマン・エコシステムプログラム
- SDGs
- 防災・社会創成
- 材料
- 物性
- 計測
マイクロプラスチックが生成する過程を測っています。
単位はミリ、マイクロ、ナノメートル。
小さくてもプラスチックです。環境中に流出してしまったプラスチックが、紫外線や波の作用で微細化したものをマイクロプラスチックと呼び、生態系への影響が心配されています。高分子材料物性研究室では、プラスチック材料が物理的・化学的作用により微細化する過程を調べています。洗濯バサミがある日突然壊れてしまうように、プラスチックは環境中で劣化します。劣化過程を調べることで、耐久性に優れたプラスチックの開発を行なっています。
執筆者:比江嶋 祐介 教授
フロンティア工学類
高分子材料物性 -
- 地球惑星科学コース
- 自然・生命
- 環境・地球科学
- 材料
- 物性
地球物質のゆっくりとした動きを測っています。
単位はストレスの許容量と解放速度。
地球内部の流れやすさと滑りやすさの分布図を作っています。岩石や鉱物を「地球を構成する物質」ととらえて、地殻やマントルが動いた痕跡を読み解く研究をしています。山体を横切るような地質構造から、電子顕微鏡で見るサブミクロンの結晶構造まで、マルチスケールの観察をします。自然から学び、地球の大きな営みに思いを馳せたい人、集まれ!
執筆者:水上 知行 助教
地球社会基盤学類
構造岩石学研究室 -
- 機械創造コース
- ものづくり
- 計測
- データサイエンス・AI
めっちゃ細かく板の厚さを測っています。
単位はミクロン。
デジタルモノづくりでの新しい用途を創っています。自動車のボディなど薄い鉄板をプレスして形を作るとき、破れたり形がうまく作れなかったりします。そんなとき、板の厚さを詳しく調べると役に立ちますが、一点一点測るのは大変。。このロボットは3mm間隔で板全体に渡ってびっしりと板の厚さが測れます。測ったデータはデジタルデータとして分かりやすく表示して、製品の改善に役立てることができます。
執筆者:浅川 直紀 教授
機械工学類
マンマシン研究室 -
- 地球惑星科学コース
- 自然・生命
- エネルギー
- 物性
鉱物を測っています。
単位はÅ,apfu,℃,MPa。
鉱物の産状・組成・構造から形成条件を解明しています。元素は地球の活動に伴って濃集し、半導体や貴金属など、私たちの生活で用いられる鉱物として産出します。つまり鉱物の産状、化学組成、結晶構造を調べることにより、鉱物や鉱物の集合体である岩石がどんな条件下で形成したのかを知ることができます。私の研究室では鉱物の結晶構造や化学組成という原子レベルのことを調べることで、惑星の進化の解明に繋がる鉱物の形成過程を解明しています。
執筆者:浜田 麻希 助教
地球社会基盤学類
鉱物科学研究室 -
- 応用化学コアプログラム
- ナノテクノロジー
- 材料
- 計測
- データサイエンス・AI
原子・分子の集まり方を測っています。
単位はナノメートル。
原子・分子レベルの3次元地図を作っています。身近に使われる材料は原子・分子が集まった化学物質です。原子・分子がどのように集まって配置されるかを理解できれば、あたらしい機能性材料の開発に役立てることができるため、原子・分子レベルの3次元地図をつくっています。
執筆者:淺川 雅 教授
物質化学類
界面物理化学研究室 -
- ヒューマン・エコシステムプログラム
- 医療・バイオ
- ものづくり
- 材料
- データサイエンス・AI
ヒトに匹敵する人工の手の実現を図っています。
単位は変位と力。
ヒトの器用さを創っています。ヒトの器用さをただ模擬するのではなく、その本質を見定め、人工の手で実現すべき機能を構成論的に見出し、それを統合することでヒトがもつ汎用性・器用さに匹敵するような人工の手の実現を目指しています。
執筆者:渡辺 哲陽 教授
フロンティア工学類
人間・機械創造研究室 -
- 機械創造コース
- 環境・地球科学
- ものづくり
- 材料
- 物性
組織制御を通して材料の高強度化を図っています。
単位はパスカル。
これまでの常識を越える強度の材料をを創っています。金属材料の特性はその化学的な成分よりも、その組織によって大きく変化します。レアアース金属などの希少元素に頼ることのないサステナブルな材料開発を行っています。
執筆者:渡邊 千尋 教授
機械工学類
材料工学研究室 -
- マテリアルデザインプログラム
- ヒューマン・エコシステムプログラム
- 医療・バイオ
- 環境・地球科学
- SDGs
- ものづくり
廃棄物の可能性を図っています。
単位は持続性。
廃棄物を資源として有効活用するための仕組みを創っています。私たちが廃棄物として捨てているモノは、ゴミではなく資源です。廃棄物を資源として再利用するための方法について研究しています。
執筆者:滝口 昇 准教授
フロンティア工学類
環境・エネルギー工学研究室