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令和6年能登半島地震に伴う学術研究船「白鳳丸」 緊急調査航海(第三次)実施について共同利用研究航海:地震発生域の海洋地球科学総合調査―(2024.03.04)

2024年03月05日

 東京大学大気海洋研究所、海洋研究開発機構、富山大学、九州大学、東京大学地震研究所、金沢大学、新潟大学、神戸大学、高知大学、琉球大学、中央大学、鳴門教育大学、産業技術総合研究所からなる研究チームは、令和6年1月1日に発生した令和6年能登半島地震を踏まえ、令和6年3月4日より学術研究船「白鳳丸」(写真1)を用いた共同利用研究航海を実施します。

 本共同利用研究航海に先立ち、学術研究船「白鳳丸」を用いた緊急調査航海が令和6年1月(第一次)および2月(第二次)に実施され、海底地震計等の設置、回収等によって、今回の地震を起こした震源断層の同定や地震・津波の発生メカニズムの調査が行われました。第三次にあたる本共同利用研究航海では、A)令和6年能登半島地震発生域の高分解能構造探査(マルチチャンネル反射法地震探査:注1)を実施し、今回の地震に関連する深部流体の上昇を調べ、今後の長期的にみた地震発生ポテンシャルを把握すること、B)地震発生域周辺の採水・採泥調査・熱流量計測、地震に伴う海底面変形の深海カメラ撮影、乱泥流観測機器の設置を実施し、地震・津波による海洋環境や海洋生態系への影響を調査すること、を目的としています。

写真1:学術研究船「白鳳丸」
【用語解説】

注1 マルチチャンネル反射法地震探査
海水面の近くで人工的に放出させた振動(弾性波)が下方に進行し、速度と密度が変化する海底下地層境界面で反射して、再び海水面へ戻ってきた反射波を受振器(ハイドロフォン)で捉える。このようにして捉えられた反射波が収録された記録を処理・解析することにより、海底下の地殻構造と物性を解明する手法である。


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[本学からの乗船者]
・ 研究者情報:佐川 拓也
・ 研究者情報:臼井 洋一